心に景色を造る 景色に声をのせる

朗読稽古屋ことつぎ

言の葉を識る

当方がご指導に当り最も重きを置いておりますのは、個々の言葉への感度を高める、ということです。
句点から句点までの一文は単に主語述語だけではなく《名詞、動詞、それらを修飾する形容詞、更に形容動詞、副詞》などによって緻密に構成されています。筆者の産んだ一語を余さず疎かにしないこと。それがことつぎでの朗読法の基本です。

他者の美点を識る

グループレッスンや教室の催しでは、他者の朗読に触れることで、豊富な発見をされることでしょう。
声質、間合い、ひとつとして似通った朗読はありません。読む人の感じ方、受け止め方はそれぞれです。朗読を数多く鑑賞することで、他者の良否を区別するのではなく、礼賛の心を養いましょう。

あたらしい自分を識る

講師の経験を積めば積むほど、どなたも愛すべき朗読者であると感じ入ります。
自分の声が好きではない、とおっしゃる人も、読み違えたり、つっかえたり、緊張してしまう人も、或いはふるさとのお国訛りで朗読する人も、私にはそのどなたもの朗読も聴いていると功徳を感じてまいります。懸命に聴かせてくれようとする姿そのものが美しく、胸を打たれるのでしょう。
朗読は、上手くなろうと望むより、丁寧に伝えようとする心を磨き続けることが大切です。ご自身の持ち味はそのままに、より素直で好感の持てる朗読へと導きたいと願っています。

その先の自分を識る

多くの場合、朗読を学ぶまでは無意識に声を出してこられたのでないかと思います。
お稽古の過程で、かつての長年の癖をはじめて認識したり、苦手なことに出くわし、どぎまぎすることがあるかもしれません。
しかしその先に、「こうありたかった自分」の姿がきっと在るでしょう。
当方では、各々の目的とペースに合わせたお稽古の進め方をいたします。
生徒さんの思いはさまざま。人前であがらずに声を出せるようになりたい、日頃読書しないので読み物とのふれあいを習慣化したい、作品や著者について深く語り合いたい、よみきかせをしたい…etc また、ビジネスシーンでのプレゼンのご相談や、標準語の習得など多種多様なご要望があります。どのような意図であっても可能な限りお役に立ちたいと思っています。
ご注意:プロ養成、朗読検定試験対策は行っておりません

言繼

言繼

お稽古では、明治・大正・昭和初期に創作された作品のほか、時に、もっと遡ったいにしえの詩歌や物語に触れることもあります。

現代とは異なる言いまわし、はなし言葉。
道具、職業、文化、生活様式の違い。
読んでいるうちに当時の風俗や人間模様が目に浮かび、生まれていない時代のはずなのに、どうしてだか懐かしい気持ちになり、次いで先人たちへの感謝の気持ちが沸いてまいります。

学ぶことを通じ、古人に尊びを込め、美し國日本の言の葉を次代へと繼げるような教室でありたいと思っています。

朗読をさらに奥ふかく
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